
車の傷は買取査定に影響を及ぼす場合と及ぼさない場合があるんですね。
明確な査定基準があることにもビックリです!
車の売却を検討中のあなたは、以下のような疑問を感じていませんか?
「傷があったら査定額って下がるのかな?」
「傷は治してから査定に出した方が良いのかな?」
確かに傷があると、査定額に影響を及ぼす場合はあるでしょう。
しかし、必ずしも減額となる訳ではありません。中には減額の対象にならない傷もあります。
また、修復をした方が良い場合もあれば修理をしても意味がない場合もあるのです。
ここでは、傷があると車の査定にどのような影響を及ぼすのか解説します。
査定士がチェックする傷には、明確な基準もあるので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
傷の種類と減額になる基準

一言で傷といっても、深さや長さなど様々な違いがあります。
また、傷のあるパーツによっても、査定額は変わります。
まずは買取店が基準にしている3つのポイントについて確認していきましょう。
- 爪が引っ掛からない程度の浅い傷なのか?
- 再塗装だけで修復できる浅い傷なのか?
- 板金と再塗装が必要な深い傷なのか?
爪が引っ掛からない程度の浅い傷なのか?
爪も引っ掛からない程度の浅い傷なら査定額ダウンにはなりません。
そのため、下手に修理すると修繕費がかかり、トータルで損をする可能性があります。
そもそも車というのは、外を走行しているため、小さな傷は飛び石などで付きますからね。
加えて買取業者では、小さな傷程度なら自社で修復できるので、減額する必要がないという訳です。
ただし、爪が引っ掛からない小さな傷であっても、あまりのも数が多かったりすると、減額される可能性はあります。
再塗装だけで修復できる浅い傷なのか?
表面の塗装だけが剥がれていて、板金自体には影響がない場合は、再塗装だけで修復が可能です。
その場合は以下の基準によって減額がされます。
傷のサイズ | 減額の目安 |
1cm未満 | ほぼ減額はなし |
1~9cm未満 | -10点 |
9~30cm未満 | -10~-20点 |
30cm以上 | -15~-40点 |
※日本自動車査定協会「中古自動車査定基準及び細則〔Ⅰ〕の車両本体の評価」
※1点=1,000円
査定基準は買取店によって異なるものの、大抵は上記のような目安を使っています。
傷は1cm未満なら買取価格に影響はありません。
9cm未満は名刺サイズの傷なので、どうしても目立ってしまいます。
そのためマイナス査定となるでしょう。
そして、30cm以上になるとA4サイズ以上なので、遠めに見ても分かる傷になります。
ここまで大きいと査定額に大きな影響を及ぼします。
場合によっては、自身で修理をしてから査定に出した方がお得になる可能性があります。
上記の表を参考に、修理すべきか判断してみてください。
板金と再塗装が必要な深い傷なのか?
表面の塗装が剥がれただけでなく中の板金までダメージが及んでいると、修理するのに専門的な知識と技術が必要になります。
買取店によっては自社修復せず外部委託するでしょう。
その場合は査定額も大幅ダウンの可能性があります。
査定の基準は以下です。
傷のサイズ | 減額の目安 |
9~30cm未満 | -15~-50点 |
30cm以上 | -20~-80点 |
パネル面積2分の1以上 | -70~-200点 |
※日本自動車査定協会「中古自動車査定基準及び細則〔Ⅰ〕の車両本体の評価」
※1点=1,000円
これは、あくまでも目安なので、業者によって査定基準は違います。
例えば、自社で修理する技術があれば、安い費用で直せるので減額の程度も限定的になります。
もしも目立つ傷がある場合は、自社で修復技術を持った買取店に依頼した方が良いですね。
見た目が綺麗でも修復歴が査定額ダウンさせるかも

傷は修理すれば査定額に影響がないというのは嘘です。
仮に傷を分からなくしても、修復歴をチェックされて、減額される可能性はあります。
というのも、車のダメージは見た目だけでなく、走行に影響が出る場合もあるからです。
そのため、買取業者は見た目の傷だけでなく内部までダメージが及んでいないか、修復歴や事故歴といった情報を使ってチェックします。
特に前方部分はエンジンなど、走行に重要なパーツが組み込まれているので、修復歴があると大きな減点となります。
修復歴はパーツごとに査定...修復歴あり・なしの違いとは?
修復歴は以下の8つのパーツに分けてチェックされています。
- フレーム(サイドメンバー)
- クロスメンバー
- インサイドパネル
- ピラー
- ダッシュパネル
- ルーフパネル
- フロア
- トランクフロア
ボディにダメージが及び修理している場合は修復歴ありの車と判断されます。
逆に、ドア・バンパーなどの取り外しが簡単な部分は、仮に修理してあっても修復歴として判断されません。
このように修復歴がありと聞くと、ちょっとでも修理をしていれば該当しそうですが、そうではありません。実は、内部に影響を及ぼす部分だけが修復歴として該当するという訳です。
結局のところ査定前に修復すべきか否か
車に傷がある場合でも、基本的には修理はせずに査定に出した方が良いです。
その理由としては以下の2つが挙げられます。
- 「修復費用 > 査定額アップ」の恐れがある
- 修理ミスによる査定額ダウンの恐れがある
修理をすると当然、修復費用がかかります。
しかし、お金をかけて直しても、それ以上に査定額がアップするとは限りません。
最悪の場合、査定額のアップはせず損をする可能性もあるのです。
ちなみに修復費用は3cm程度の傷であっても4~5万円はかかります。
それを直しても査定額は1万円程度しかアップしません。これなら修復しない方がお得ですね。
もちろん、自分で修復して費用を抑える方法もありますが、失敗すればさらに買取金額を下げる恐れがあります。
やはり傷は下手に修理せずに、そのまま査定に出した方が良いでしょう。
修理すべきケースとは?
傷を修理した方がお得になるケースは以下です。
- もらい事故で修復費用が全額相手持ちの場合
- メーカー保証内で修理ができる場合
以上のケースであれば「修理費用 < 査定額アップ」となるケースが多いため、修理してから査定に出すようにしてください。
まとめ
今回は車査定における傷の有無について解説しました。
小さな傷であれば基本的に減額の対象とはなりません。
そして、傷がある場合でも下手に修理をするとトータルで損するケースが大半です。
修理はせずに査定に出すのが基本だと覚えておいてください。
ただし、掃除や荷物を出して見た目を綺麗にすることは査定額アップには欠かせませんので、自分で費用をかけずに綺麗にできる部分は磨いてから査定に出すのをおすすめします。
以下の記事では、査定額アップのコツについて解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。